競馬への向き合い方は人それぞれ。
ギャンブルとしてやっている人もいれば、趣味としてやっている人もいる。
趣味としてやっている人の中でも、血統のロマンを追う人、競馬にかかわる人を追う人など、これまた多種多様。
さて、競馬ファンであれば誰しも好きな馬、いわゆる推し馬がいることだろう。 ただ、その馬をデビューから見届けてきた人はそれほど多くないはずだ。 数年前に競馬を始めた人ならなおさら。 この連載記事では、筆者にとってデビュー前から追う初めての馬についてお伝えしていきたい。
ユカリプレリュード。 2020年3月12日に北海道・浦河町の鎌田正嗣氏のもとで生まれた、鹿毛の牝馬である。 父はキタサンブラック。初年度産駒としてイクイノックスを輩出している、今後ますます期待がかかる種牡馬だ。 母はプリティウィッチ。これまでの産駒は中央1勝までで、 netkeibaで情報が得られる限り、近親の重賞馬は2014年のアイビスサマーダッシュを勝ったセイコーライコウのみ。
オーナーは平賀久枝氏。Google検索をかけてもいったいどのような方なのか手掛かりがつかめないが、 所有馬一覧を見るにかなりお年を召した方であることは想像に難くない。 個人馬主である以上、デビュー前の所有馬については写真はもちろん、その他の情報もほとんど出回っていない。
筆者はこのユカリプレリュード号を追うことに決めた。 理由は単純で、名前がどこか琴線に触れたからだ。 JRA公式サイトの競走馬情報に、名前の由来は「縁+前奏曲。ゆかり(ご縁)から始まる前奏曲」と掲載されている。 しかし、筆者にはこの馬名からはっきりと連想されるものがあった。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」という作品に登場するアイドル、水本ゆかり。 彼女のソロナンバーである『私色のプレリュード』――― 「ゆかり」と「プレリュード」 これらをつなぎ合わせて「ユカリプレリュード」。
あまりにも都合が良すぎるような気もする。 ただ、これが意図したものであれ、意図していないものであれ、 長年彼女を応援してきた筆者としては、この牝馬も応援しないわけにはいかない。 かくして筆者は、ユカリプレリュード号を追うと決意したのであった。